Clicks を買った! 例えば長年の Black Berry ユーザでスマートフォンの買い替え先に困っていて,iPhone が iPhone らしくなくなっても構わない人は真似して欲しい. 私は Black Berry Key2 を 6 年使った末に乗り換えて満足しています.
「何それ?キーボード付いてるの?スマホ長っ!」 とか Black Berry 以上にキーボードが目立つので話のネタにもなります.女性のスカートのポケットは案外深くて難なく入るので,心配無用です.逆に男性のズボンのポケットの方が浅いかもしれません. 小さい画面好きなので,サイズは画面とキーが一体になった Black Berry Key2 で十分なんだけどね.
5 月初旬に iPhone Pro 15 のサイズの注文が開始したので注文し,5 月中旬に海外から配送され手に入れた. 日本語のレビュー記事は発売前の展示会情報しかなく,Discord のコミュニティで英語で「日本からだよ!」発言してみたが反応がなかったので,日本で持っている人はまだ私しかいないのではないかと想っている. ちなみにギークの心をよくわかっている公式とコミュニティなので,使用方法やカスタムの便利な使い方は公式からのメールと Discord コミュニティに入っていれば大体入手できると思う.
Emacs キーバインドが使える
敢えてこれを一番に挙げたい. 少々のカスタムが必要なのだが,特に言語選択に利用しなくとも良い Global キー(地球マークのキー)を Ctrl に割り当てる設定に変更すればなんと,Ctrl+a, Ctrl+e, Ctrl+k などでおなじみ,Emacs キーバインドが使える. さらに,Ctrl+z で戻るなどと併用できるので,テキスト入力効率がすごい! BlackBerry よりすごいところ!
この恩恵がわからないユーザは正直買わなくて良いと思います.フリック入力でも慣れればそれなりの速度で打てる時代,敢えてのこの PCライクな打ち方をすると...私は 20分で 1000 字は楽に打てます.ちなみに PC なら 10 分で 1000 字は打てる. Black Berry Key 2 時代も 1 万字/日とか余裕で打ってたんですが,1.5-2 倍くらい早くなって快適です.
変換確定がキーだけでできる
Black Berry Key2 には素敵なギミックがあって,キーにもタッチセンサーが付いていて,変換したい文字の下から上にキーパッドをなぞることで変換確定するという機能がありました.キーパッド 2 回タップでカーソルモードにできる機能もあって自慢したいことなんですが,実用上は正直微妙でした.画面上でタップしたり,カーソル移動したいところにタッチした方が精度が良い. 対して,Clicks はキーで選んで変換していけるので誤反応がなく,まさにキーボードだけを触って文字入力ができる時代になりました.唯一悔やまれるのが,Black Berry Key2 にあった,キーパッドをスクロールすることで画面スクロールできる機能が Clicks にはないこと.Clicks でもスペースキー押してスクロールする機能はあるのでどうしても一般操作以外に画面に指紋付けたくない人はそれで代替しましょう.Black Berry Key2 の下位互換となるのはここと Locker 機能だけです(手軽なのに秘匿性が高くて大好きでした).あとは全部上位互換です.安心して買って下さい.
パススルー充電ができる
Click の情報が出るまでは接続方式はBluetooth なの?と思っていましたが,有線です.USB Type-C ケーブルを挿す穴に Clicks ケースの端子を挿すだけです.Clicks ケースの USB Type-C ケーブルを挿す穴に充電ケーブルを挿せば普通に充電できます. ちなみに,USB Type-C をイヤホンジャックに変換するケーブルなんかは,ケースの穴でなく,ケースを外した iPhone の穴に直接挿さないと使えません.ケースの穴は充電用のみです.
暗いところでバックキーライトが付く
これ,Black Berry Key2 では照度センサーで周りが暗いと自動でバックキーライトが付く当たり前の機能で,心配してたんですが,Clicks も 123 + Globe キーでバックキーライトが ON/OFF できます.キーボードから切り替えできるのはとても便利です.
コマンドキーにショートカット割当できる
Black Berry Key2 の超強い機能で,スクリーンからアプリアイコンを消すこともできるくらいショートカットをアプリにバリバリ割り当てられました.Clicks でも似たことができます.設定を変える必要があり,入力中も反応してしまうので,Emacs キーバインドをバリバリ使って長文入力したい人には誤作動が多いため,こちらは敢えてオフにすることを推奨します.どうせ iPhone なので,スクリーン最終ページには否応なしにすべてのアプリアイコンが並んでしまいます.アプリアイコンを消してクリーンにはできないと割り切りましょう.
ということで,大体紹介しました. イタリア旅行のレジで Apple Pay でタッチ決済したら,レジ店員さんが写真を撮らせてくれ!キーボード付きが好きで,ずっと Black Berry を使ってるんだよ!と興奮してたので,マニアなら間違いなく好きです.一般人は買ってはいけない代物です. 打鍵感は個人的には Black Berry Key2 のあのソフトなストロークが無意味にポチポチ打ってたいほど好みだったんですが,Clicks はカチカチしてます.必要なものを必要なだけひたすら打つにはこれほど良いガジェットはないと思います. 自分のスマホが iPhone だったことを思い出したくなったらケースを外すだけです.ケースを付けたら,「それ,もう iPhone じゃないよ」と言われますが,そう,我々が欲しいのは Black Berry Key2 の乗り換え先だったのです. Black Berry Key2 は 2026 年 3G 停波日が命日と言われていますが,ついに 2024 年,高機能の極み iPhone Pro とキーボードが組合せられる時代が来たのです. Black Berry Key2 も Google Wallets にクレジットカードを組合せたタッチ決済は一部できたのですが,NFC の種類が違い,いわゆる日本のおサイフケータイではなかったので,ICOCA などの交通系 IC 系カードには対応していなかったけど,iPhone なら何の心配もない. 一般ユーザがとりあえず iPhone を買って広まる標準規格に乗りつつマニアックなキーボードを搭載できる安心感.
おまけ: Locke と無音カメラ
これこそ BlackBerry というデバイス搭載アプリ,Locker.Black Berry に非表示領域を設け,写真やアプリを隠すことができました.指紋認証でアクセスでき,気軽に非表示アプリも利用することができる.iPhone ではアプリを隠すことはできません.以前は気になったんですが,iPhone を買ってからは非表示にしたいアプリとはお別れしました.iPhone を使うからにはオープンに,人に堂々と見せられるものだけに... でも,写真は非表示機能も使ってます. Black Berry は標準カメラ機能と Locker が連動していて,スペースキーで撮った写真は即座に非表示フォルダに格納できるので,個人情報カードをメモしたい時なんかはスペースキーで撮影してました.そういう配慮が iPhone にもあれば良いんですが...ありません.あと,標準カメラの音を無音にすることができません.まぁ,iPhone のシャッター音はさりげないので気にならないんですけどね.
以上,Clicks のレビューをしつつ,かなり Black Berry Key2 と比較しましたが,とにかく応援しているガジェットです.